2020年の不動産業界の求人の傾向。いつ、どこで、どう転職する?
不動産業界の中での転職、または違った業種から不動産業界への転職をする場合、どうやって仕事を探すべきでしょうか。
そして、そもそも2020年は、転職に有利な時期なのでしょうか。どうもコロナウィルスの影響で景気は悪化すると見るのが普通でしょう。
転職市場は時代の流れとともに活発に推移してきました。そこで迎えた不景気。不動産業界はどうなのでしょう。
具体的なデータで2020年の不動産業界の転職市場を見ていきたいと思います。
<目次>
不動産業界の求人数はどのくらいある?
DODA、マイナビ転職、リクナビNEXT、エン転職、おそらく耳にしたことぐらいはあると思います。どれも有名な転職サイトですよね。
これらのサイトに不動産業界の求人がどれくらい集まっているでしょうか。2020年3月の時点で正社員の求人を調べてみました。
すると、4つのサイトの合計で6007件もありました。重複しているものもあると思いますが、6000件以上も出て来るわけですよね。
何も三井不動産や三菱地所ばかりが不動産業界ではありません。町の小さな不動産会社もあるわけで、その数は膨大です。求人も多く出ているのが不動産業界の特徴です。
ところで、この6007件という件数は、多いと言っていいのでしょうか。転職サイトは、全国の求人が集まっています。ですから、すべてが応募できる対象とはなりません。
ただ、全体的に見て、増加傾向なのか、減少傾向なのかはわかります。前年と比較してみると、以下のようになります。
2016年3月に調べた際は、2400件でした。そこから4年経って、6000件になりました。倍以上に増えているんです。
つまり、2020年はここ数年の流れから不動産業界でも転職に有利な状況となってきていたんですね。
不動産業界の年収はどのくらいなのか?
2020年はどうやら不動産業界に転職するには、いいタイミングだということはわかりましなのでしょうか。それでは、どんな条件で転職することになるのか。
一番気になるのは、やっぱり給料のことでしょう。不動産業界の求人では、いくらぐらいの年収が提示されているのでしょうか。これも実際の転職サイトの求人をもとに見てみます。
下のグラフは年収別の求人の件数を表しています。
500〜699万円が最も多く見られます。次に多いのが300〜499万円です。年齢や経験によって決まるものですが、1つの目安にはなるのではないかと思います。
年収1000万円超の求人も多い方です。私はいろんな業種を見ているのですが、1000万円超の求人はメーカーでは全体の1割未満です。不動産業界は10%を超える割合で見られます。
努力や成果によって高収入が望める業界と言えますね。
不動産業界の仕事の勤務地はどこが多い?
次に勤務地に注目です。不動産業界の求人も、他の業種と同様に、地域的なかたよりはあります。DODAとリクナビNEXTの求人を元に見てみると、以下のようになりました。
不動産業界に限らず、どの業種でも東京が多くなり、関東地方が多くなります。
東京に多いとは言っても、不動産業ですから、全国的に仕事は分散されている方です。業種によってはもっと東京に集中している場合もあります。
不動産業界も東京が多いことは多いのですが、わりとほかの地域の求人も多くあるようです。転職サイトでの転職は向いている業界と言えます。
不動産業界で必要とされる職種はどんな仕事?
不動産業界と言っても、建築、設計、仲介業など、いろいろあるわけですよね。そこで職種別に求人を分類してみます。営業職、技術職、事務、企画といったように分けてみます。
DODAとリクナビNEXTの求人を分類してみると、以下のようになります。
最も多かったのは、技術職でした。次に多いのが営業職、事務職と続いています。 設計や建築に関する技術が求められているということでしょう。そこで気にあるのが経験の求められ方です。
未経験でも不動産業界に入れる?
不動産業界には資格がありますよね。宅建とか建築士の資格など、人気の国家資格もいくつかります。資格を取って、あらためて不動産業界に就職したいという人もいるのではないでしょうか。
はじめて不動産業界に足を踏み入れるなら、気になるのは経験の要否です。中途採用の場合は、求人の中で「経験者優遇」とか、「未経験者歓迎」という言葉が使われます。
そこで、未経験者歓迎とされている求人に注目してみます。4つの転職サイトの求人では、どれくらいが未経験者歓迎となっているでしょうか。
次のグラフをご覧ください。
36%の求人が未経験者歓迎となっています。約3分の1といったところでしょうか。 サービス業では7割ぐらいになるところもあるので、わりと、経験者に有利な市場なのかなという印象です。
とは言っても、約3分の1は未経験者でも応募可能な求人ではありますから、未経験でもチャンスは広がっていますよね。 最近は全体的に未経験者歓迎の求人は減っている傾向があります。
どこで求人を探すべきか
さて、ここまで不動産業界の求人をいくつかの角度から見てきました。年収のこと、経験のこと、地域のこと、職種のこと、これらがわかったところで、改めてどこで求人を探すべきかを考えてみましょう。
求人はハローワークにもあるし、転職サイトにもあるわけですよね。新聞広告もあるし、求人雑誌もある。
インターネットの普及で、私たちはかなり多くの求人を自宅にいながら見られるようになりました。その中心となるのは転職サイトだと思います。
不動産業界の求人を転職サイトで探す場合、注意しなければいけないことがあります。
転職サイトをこのページでも4つ見ていますが、どれも同じではないんですね。それぞれに特徴があります。そして求人にも特徴があります。
ここでは転職サイトの特徴をもう少し見ておきたいと思います。なぜなら、間違ったところ(自分に合わないところ)で探していては、決まるものも決まらない。採用されない転職活動に時間を費やすことになってしまいます。
そうならないために、効率的な転職活動にするためにも、ぜひ知っておいて欲しい情報です。
転職サイトによってどれぐらい違うか
不動産業界の求人は、6007件あったと先に書きました。その内訳を見てください。
DODAは2723件、マイナビは751件、リクナビNEXTは2111件、エン転職は333件です。かなり件数が違いますね。 エン転職は最近になって、よく聞く転職サイトですが、扱っている件数は少ないわけです。
そしてもっと重要な事があります。件数は別にいいんです。少ない求人の中でも、自分に合う求人が多く含まれていれば、採用されるからです。ところが、求人の中身も違うんです。
例えば、未経験者歓迎の求人の比率を見てみましょう。上で見た時、だいたい半分が未経験歓迎だと言ったのです。
この図を見ると、DODAとマイナビには決定的な違いがあることに気づかれると思います。
さらに年収の違いも見てください。次のグラフは転職サイトごとに、年収別の求人比率を表しています。
リクルートは、金額の区切りがちょっと他の違うので、低めに見えてしまうので無視してください。その上で、DODAとマイナビを比べてみてください。DODAの方が高い求人が多いんです。
これでも違いは少ない方です。なぜか不動産業界は違いは少ない方でした。だいたいDODAは年収が高め、そして経験者を必要としているという傾向にあります。
逆にマイナビは、第二新卒など年齢が若い人を必要としている求人が多いんです。
こういう違いは知っておかないと、なかなか自分の経験やスキル、希望や条件と、企業が書いている求人の内容が合わないことになります。
転職サイトごとの求人の特徴をつかむと、転職活動はしやすくなります。
転職が一般的になって、転職サイトもいろいろ出てきました。そして、みんな同じではなくなっているのです。だれもが同じところで探せばいいのではなく、今の時代は、自分に合ったところで探すということが重要になってきています。
あなたはどこで探すべきでしょうか。ぜひ、上に示したデータを見ながら考えてみてください。
求人の質で見るとどうなる?
ここで見てきたのは、あくまで求人の数(量)についてです。それでは、求人の質で見るとどうでしょうか。
やっぱり質の面でも転職サイトごとに違いはあるんですよね。つまり、どんな求人が掲載されているのか、これはいい転職ができるかどうかに関わる問題です。
次のページは、
転職サイトで求人を探すなら「数」よりも「質」を重視!
です。