2020年、飲食業の求人から見える転職するべきかの答え
2020年に飲食業界に転職するのは正解でしょうか。もし正解なら、どうやって仕事を探しますか?
飲食業界の大手と言えば、マックですね。 日本マクドナルドの決算を見ると、2019年度の売上は2,817億円で、営業利益は280億円です。 前年よりも増加しています。
ここ数年は毎年売上も営業利益も増加していました。
すかいらーくグループも2019年度は売上が3753億円で前年比2.5%の増加、営業利益は10%マイナスです。 問題は12月の決算のため、ここにコロナウィルスの影響が反映されていないことです。おそらく飲食業界の状況は厳しいでしょう。
一方、転職市場は好調を続けてきました。2016年の転職者数は300万人を超えて、3年後の2019年には350万人となりました。 2020年も最初はこの好調を維持していました。
飲食業界への転職も2020年がいいタイミングだと言えるのでしょうか。そもそも、求人は多く出ているのでしょうか。
いくつかの観点から、飲食業の2020年の転職について考えてみたいと思います。
<目次>
2020年、飲食業界の求人数は多い?
2020年の3月に拾ったデータがあります。飲食業界の正社員の求人数を調べてみました。DODA、リクナビNEXT、マイナビ転職、エン転職の4つのサイトで探しました。どのくらいあると思いますか?
3月というのは1年の中でも、求人が多く出ている時期とされています。なので普段よりは多いかと思いますが、飲食業界の求人はなんと、3131件もありました。
飲食業の求人だけで、3000件以上も出てくるんですよね。かなり多いと思いませんか?
2020年を転職タイミングとして見た場合にどうなのか。前年の同じ時期に調べた求人数と比較すると次のグラフのようになります。
2016年の3月には1484件だったんです。2020年は3131件なので、倍増しています。
2017年~2018年は微増でしたが、2020年になってまた大幅に増えています。 転職市場は好調を維持していました。
3000件以上あるとは言っても、転職サイトですからね。全国の求人が集まっている。その合計が3000件なのです。つまり、すべてがあなたの転職先の候補になるとは限りません。地域別にどのくらいあるかは、あとで少し触れます。
飲食業界の仕事は年収はどのくらい?
飲食業界の3131件の求人をもとに、どのくらいの年収が提示されているのかを見てみました。転職したら給料が増えるのか、減るのかは気になるところですよね。
年収300〜499万円の求人が最も多い結果となりました。次が500〜699万円です。飲食業もサービス業の一種ですが、サービス業の年収の相場はだいたいこんな感じです。 300〜499万円の仕事が多いと考えておくといいと思います。
年収1000万円超の仕事もあるようですが、全体から見ると、かなり少ないですね。
飲食業ではどの地域の求人が多い?
転職サイトは、全国の求人があるわけですが、基本的には東京の仕事が多いのが普通です。飲食業界の求人はどうでしょうか。下のグラフをご覧ください。
関東を勤務地とする求人が最も多くありました。そして、大阪を中心とする関西地方、名古屋を中心とする東海地方と続きます。
都市部への集中はあるにはありますが、飲食業は全国に広がっている印象です。ほかの業種では東京の求人が3割を下回るのは、めずらしいぐらいです。どの地域でも仕事を探しやすい業界です。
飲食業界の仕事内容(職種)は?
リクナビNEXTで見たところ、飲食業界で働く場合の職種は、販売職が最も多いわけですよね。
でも、それだけじゃないんです。DODAは管理・企画という仕事が多いんですね。逆にリクナビだと、営業が多く出ます。管理というのは店長候補などが当てはまるのだろうと思います。
具体的にどんな仕事があるか、見てみます。
例1 (DODA)
仕事内容 | ホール業務、スタッフの教育、マネジメント、スケジュール管理、売上管理 |
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給与 | 月給32万円以上 |
求める人材 | おもてなしや接客を学びたい方、店舗運営やメニューづくりに、自分の意見・アイデアを反映させたい方 |
例2(リクナビ)
仕事内容 | 大型店舗運営 |
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給与 | 月給20万円以上 |
求める人材 | 外食が好きな方、マネジメントに挑戦したい方、店長の裁量が大きい環境で挑戦した方、飲食業界未経験者も歓迎 |
正社員の募集なので、ホールスタッフというよりは、店長候補、エリアマネージャーなどが出てきます。
未経験で飲食業界に転職できる?
中途採用では、経験を重視する傾向はあります。求人には「経験者優遇」、「未経験者歓迎」といった言葉が使われます。
異業種から飲食業へ転職する場合には、未経験者歓迎の求人の方が応募しやすいということはありますよね。そこで、未経験者歓迎の求人に着目します。
4つのサイトで見ると、50.8%の求人で未経験者歓迎としています。サービス業は比較的未経験者を広く受け入れる傾向があります。飲食業も異業種からの転職には向いていると言えます。
どこで求人を探すべきか
ここまで飲食業界の求人について見てきました。 これからどうなるかはわかりませんが、2020年は転職のタイミングとしては決して悪くないし、むしろ求人が多く出ています。 仕事を選べる、いい時期はいつまで続くかわからない、そんな状況だと思います。
中途採用では、どこで求人を探すかが重要です。件数が多ければいいということでもないんですよね。自分に合った求人があるかどうかが大事です。
そこで見て欲しいデータがあります。
上の図は転職サイトごとの飲食業の求人の数を示しています。見てわかる通り、DODAとリクナビに集まってきています。 どこもだいたい同じぐらいあった数年前とは明らかに違います。
ただし、これは飲食業だからです。ほかの業種だと全然違います。 飲食業界の転職ならDODAとリクナビNEXTは外せないということになりますよね。
次に年収を転職サイト別に見ます。
リクルートは金額の区切り方が違うので無視してほしいのですが、DODAとマイナビでは色合いが違いますよね。DODAは高め、マイナビは低めの傾向があります。
次に未経験者歓迎の求人の比率です。
ここでもDODAとマイナビではかなり違うわけです。これはどういうことでしょうか。
マイナビは、ほとんど経験がない人、若い人や第二新卒の人を求めている求人が多いんですね。逆にDODAは経験者採用をしたい企業が集まっているんです。
DODAは未経験者歓迎なんて、あまり重視していない転職サイトなんですよ。これは1つのメッセージと受け取れます。
誰がどこの転職サイトでも転職できるという時代ではなくなってきたんですね。それぞれが特徴を出そうとしています。どんな人を集めるか、どんな求人を集めるか、だいぶ特徴を出してきています。
この違いを理解した上で、仕事を探してみてほしいと思います。そうしないと、なかなか自分の求めているような仕事が見つからないとか、応募しても書類選考が通らないというような事態が発生します。
それは、どこで出会った求人なのかが重要で、そこで間違えると、転職活動が大変になってしまうということなんですね。
あなたはどこで仕事探しをしますか?
求人の質で見るとどうなる?
ここで見てきたのは、あくまで求人の数(量)についてです。それでは、求人の質で見るとどうでしょうか。
やっぱり質の面でも転職サイトごとに違いはあるんですよね。つまり、どんな求人が掲載されているのか、これはいい転職ができるかどうかに関わる問題です。
次のページは、
転職サイトで求人を探すなら「数」よりも「質」を重視!
です。