【2020年】システム開発業界、データで見る求人の傾向と転職方法
情報サービス産業はゆるやかな回復を続けていると言われていました。
システムインテグレーション(SI)を主力事業とするNTTデータでは、2019年の売上は前年を上回っている状況です。 ただ、コロナウィルスの影響で今後のことはわかりません。
さて、転職市場は2019年、転職者が久々に350万人を超えました。過去最高の数字でした。 この傾向もまだ継続すると見られていたんですね。
つまり、2020年のシステムの分野でも中途採用は相変わらず、積極的だったのですが、コロナウィルスの影響で先行きが不透明という状況です。
求人の数を見れば、IT業界、中でもソフトウェア開発などの分野で転職を考えている方は、2018年は決して悪い状況ではないと言えます。
でも、どうやって有利な転職を勝ち取りますか?どこで自分に合った求人を探すべきか、ここにあるデータを示します。
転職について考えていただく参考になればと思います。
<目次>
2020年のソフトウェア・システム開発の求人の現状と傾向
2020年の3月時点でのデータ(正社員のみ)をもとにソフトウェア・情報処理・システム開発といった分野の求人を少しだけ細かく見てみたいと思います。ゲームやWeb業界は含まれません。
2020年のIT業界の求人数は増加!
2020年3月時点で、主要な転職サイト(DODA、マイナビ、リクナビ、type、エン転職)でソフトウェア・システム開発の求人情報を探してみました。
5つのサイトの合計で12403件もありました。先ほどのNTTデータのような大手ばかりでなく、中小企業もたくさんある業界ですから、転職する人も多い業界だと思います。
求人は複数のサイトで重複しているものもあると思いますが、10000件以上の求人をいろんな角度から見てみたいと思います。そして、現状を知ってください。
まずは求人の件数を前年と比較するとこんな感じになります。
こうしてみると、近年、システム開発企業の求人がどんどん増えてきたことがわかります。
2019年は6519件でしたので、この一年でもかなり増えています。
転職サイトの求人は同じ企業が同じようなもの(何が違うのかわからない複数の求人)を出していることもあるので、これはのべ件数になると思います。
とにかく求人数が増えているのは確かです。ただ、どの転職サイトでも同じように増えていたわけではありませんでした。このあたりは後述します。
ソフトウェア・システム開発の求人で提示されている年収
ソフトウェア・システム開発の企業が出している求人の年収はどのくらいでしょうか。転職する時には気になる給料についてです。これも実際に転職サイトで見てみました。
ほとんどの場合、年齢や経験によって決定するケースだと思いますが、求人票には基本の額が提示されているわけで、参考にはなると思います。
年収500〜699万円の求人がかなり多いのが特徴です。このレンジを中心に幅広くあります。700万円以上もかなりありますね。
ソフトウェア・システム開発の求人の地域別の比率
勤務地別に求人数を調べてみました。ソフトウェア・システム開発の求人はどの地域に多いのでしょうか。だいたい想像はできると思います。次のグラフをご覧ください。
関東地方に半分以上が集まっています。しかも東京都内を勤務地とするものだけで、ほぼ50%なんですね。5000件もの仕事が東京にありました。大阪、愛知、福岡なども多くあります。
そもそも転職サイト自体が関東を中心にしたものが多いこともあるでしょう。どの業種でも東京が多くなります。ですが、IT業界の場合は、その傾向が顕著に見られます。
職種別の比率
転職する人が求人を探すときには、だいたい勤務地と職種で探しますよね。職種別に見たのが、下のグラフです。どんな仕事が多いでしょうか。
当然かもしれませんが、技術職、エンジニアの求人が最も多くなっています。営業職と事務職も数としてはけっこうありますね。
未経験歓迎の求人の比率
ソフトウェア・システム開発というぐらいですから、開発のスキルや言語の知識が必要だと感じてしまいますが、意外にも業界未経験者でも広く募集されています。
21%の求人では未経験者歓迎としています。5つのサイトの求人のうち、だいたい1,400件は未経験者でも応募できるし、歓迎するとされているのです。異業種からの転職もありですね。
逆に言えば、8割の求人ではスキルや経験が高く評価されていると言えるわけで、もちろん年収が高めの求人はこういったものになるのでしょう。
本当はもう少しデータを詳しく見ておく必要があります。転職サイトごとに、かなり差があったからです。この点については後述します。
どんな求人が出ている?
実際にあったソフトウェア・システム開発業界の求人を4つ見てみます。
例1 (DODA)
仕事内容 | 金融機関向け営業支援システムの要件定義から設計、開発、保守、自社内での持帰り開発 |
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給与 | 年俸400万円以上 |
求める人材 | オープン系の開発経験者、上流工程へ挑戦していきたい、PL、PMへのキャリアを積みたい方など |
例2(マイナビ)
仕事内容 | 大手企業向けパッケージソフトの導入プロジェクトを推進、国内外の大型案件をメインとした業務 |
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給与 | 年俸600万円以上 |
求める人材 | コンサルティング、PL、PMのいずれかの経験、他の業種でのコンサル経験も歓迎 |
例3(リクナビ)
仕事内容 | 自社パッケージおよび官公庁・企業向けシステムのインフラ設計・構築業務、要件定義や提案、機器構成明細の作成、設計など上流工程 |
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給与 | 月給22万円以上 |
求める人材 | サーバまたはネットワークの基礎知識を持っている、上流工程に携わりたい方など |
例4(リクナビ)
仕事内容 | ICT技術を使った決済や健康に関わるシステムの提案、要件定義、詳細設計、開発、運用など |
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給与 | 月給24万円以上 |
求める人材 | Javaでの開発経験2年以上、決済に関する知識、アプリ開発、基本設計ができる方など |
転職サイトの中途採用の求人は4つのパターンに分かれると思います。上の求人のパターンがわかるでしょうか。
どの求人に応募すべきか、求人を見るときは「パターンの違い」を意識すると、採用意欲の強さや採用されやすさがわかってきます。採用されたかったら、採用される求人に応募しなければいけないんですね。
ここまで、2020年のシステム開発業界の求人の現状や傾向を見てきました。さて、ここからがいよいよ本題です。実際に転職する場合の戦略を考えてみましょう!
ソフトウェア・システム開発への転職戦略
さて、ここからはより具体的な話。どうやって求人を探すかです。転職はどうやって決まっているかというと、マッチするかで決まります。自分自身と会社の目的が一致したら採用です。採用されるか、採用されないかの分かれ目は、そこです。
要は自分を必要としている求人を見つけることが大切です。
転職サイトのメーカーの求人数の比較
これまで見てきた主要な5つの転職サイトの求人の数をまずは見てみましょう。
先程、少し触れましたが、どれも有名な転職サイトなんですが、ちょっとずつ違っていて、例えば、求人の件数を前年と比較するとどうでしょうか。 件数が増えている所、減っている所がありました。
まずエン転職が減っていますね。DODA、リクルートが増えています。マイナビとtypeは大きな変化はありません。
以前は、DODAやtypeから、マイナビ、リクルート、エン転職の方に流れているように見えたのですが、今年は逆になりました。 ここ3年で順調に件数が増えているのは、リクナビNEXTなんですよね。
もう少し見ていただきたいデータがあります。
転職サイトごとの年収の比較
それぞれの転職サイトごとに、求人で提示されている年収がどのくらいかを表したグラフです。
これを見るとどうでしょうか。転職サイトごとにかなり違いがあるなという印象を受けませんか?
DODAとtypeがかなり高い年収のものが多いことがわかります。これがどういう意味かわかりますか?もう少しデータを見ましょう。
転職サイトごとの未経験者歓迎比率
未経験者歓迎の求人比率です。5つのサイトの合計で見ると、未経験歓迎は約1割でした。ところが、だいぶ違いが大きいことがわかります。
エン転職は未経験者にやさしいです。一方、DODAは厳しいんですね。
ここまで、まとめてみます。type、リクルート、マイナビ、DODAは十分な件数があります。ですが、件数が重要なのではありません。あなたに合っている求人があるかどうかが重要です。
そういう意味では、給与面と経験の要否に違いがありました。この違いは何でしょうか。
DODAは経験者を必要としている。エン転職は経験なんてどうでもいいから、若い人を求めている。簡単に言うとこのようになると思います。 ではリクナビはどうでしょうか。typeはどうなるでしょうか?
こういった違いがわかってから求人を探してほしいと思います。自分とマッチする仕事があるかが大事なんです。
あなたはどこで仕事を探すべきでしょうか。ぜひ考えてみてください!
IT業界は人材紹介サービスも充実している!
ここまで見てきたのは、総合型の転職サイトです。中途採用は転職サイトがすべてではありません。人材紹介サービスというものもあります。これは転職エージェントと言われるものですね。
ITのような転職が頻繁にある業界は、人材紹介サービスも充実しています。たとえば、有名なところだとワークポートやレバテックキャリアがあります。
転職サイトだけでなく、人材紹介サービスを使うと、特に今のような転職する人に有利な時期(求人が多く、売り手市場の時期)には、明らかに有利になります。求人数も転職サイトよりも多いですからね。
ただし、デメリットもあります。首都圏が中心であること、面談が必要になることです。時間のない人は難しいかもしれませんが、電話でも可能な場合もあるので、登録はしてみてもいいのではないでしょうか。
IT業界に特化した人材紹介サービス
IT業界に特化したサービスをいくつか紹介します。
レバテックキャリア
レバテックキャリアは、IT・Web業界に特化し、4,000件を超える求人数があります。職務経歴書の添削、模擬面談で事前準備を徹底サポートもあり。
社内SEナビ
社内SEナビは、客先常駐がない「社内SE」を目指すエンジニアのための紹介サービスです。一人一人の転職者に時間をかける丁寧なサービスが売りです。
求人数が非常に多い今、有利な転職をぜひ実現してください!